卵胞刺激ホルモン(FSH) どんな働き?基準値は?不妊との関係は?

 

 

妊娠に関わる女性ホルモンの種類については、どんなものがあるのか前回お話しました。

詳しくはこちらを参考にしてください。

妊娠のカギを握る女性ホルモン

今回からはさらにひとつずつ詳しくお伝えしていきたいと思います。

女性ホルモンの分泌の仕組みや働きはとても複雑で、分かりにくいと思っている方も多いのではないでしょうか?

今回は卵胞刺激ホルモン(FSH)の働きや基準値、不妊との関係について、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思います。

 

卵胞刺激ホルモン(FSH)は脳下垂体から分泌

 

卵胞刺激ホルモン(FSH)は黄体形成ホルモン(LH)とともに性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)と呼ばれるホルモンで、卵巣に働きかける女性ホルモンです。

卵胞刺激ホルモン(FSH)は脳の下垂体というところから分泌されます。

 

下垂体が自由に好きなだけ分泌しているというわけではありません。

脳の視床下部というところから分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモン(ゴナドトロピン放出ホルモン)の刺激によって分泌されているのです。

視床下部から“FSHを分泌しなさい”という指令が下垂体に届き、その指令に従って下垂体から分泌されるということです。

 

分泌された卵胞刺激ホルモン(FSH)は血液によって卵巣に運ばれます。

 

卵胞刺激ホルモン(FSH)の働きとは?

 

脳下垂体から分泌されて、血液に乗って卵巣に届いたFSHは卵巣内の卵胞に働きかけて成熟するよう促します。

また、卵胞周囲にある顆粒細胞の中のアロマターゼという酵素を活性化させてアロマターゼの産生を促す働きがあります。

 

アロマターゼは卵胞内のアンドロゲンを卵胞ホルモン(エストロゲン)に変換するための大切な酵素です。

つまり、卵胞内のアンドロゲンからエストロゲンが作られるのです。

その時に必要な酵素がアロマターゼということです。

 

アンドロゲンは黄体形成ホルモン(LH)によって卵巣内に作られます。

んっ? アンドロゲン? 男性ホルモン?

そう、じつは男性ホルモン(アンドロゲン)が卵胞ホルモン(エストロゲン)の材料なんですが、これについては黄体形成ホルモン(LH)のお話をする際に詳しくお伝えすることにします。

 

卵胞刺激ホルモン(FSH)がエストロゲンの分泌を左右する

 

FSHがアロマターゼを活性化させ、活性化したアロマターゼがアンドロゲンをエストロゲンに変換する、という仕組みによってエストロゲンは作られています。

つまり、エストロゲンを作るためにはアロマターゼという酵素が必要で、アロマターゼはFSHによって活性化して産生されるというわけです。

アロマターゼという酵素が働かなければエストロゲンは作られませんので、FSHがしっかりと卵巣に届いて卵胞に働きかけているかどうかがとても重要だということです。

 

このように、FSHはエストロゲンの分泌に大きく関わっているということがお分かりいただけたでしょうか?

 

卵胞刺激ホルモン(FSH)の基準値(基礎値)とは?

 

女性ホルモンの量は月経周期の中で変動していますが、不妊治療では生理3日目前後の値を“基礎値”として卵巣機能がどのくらいあるかを見る指標としています。

 

月経周期

卵胞期(基礎値)3.5~12.5(mIU/ml)

 

排卵期 4.7~21.5(mIU/ml)

 

黄体期 1.7~7.7(mIU/ml)

 

FSHの値が高い その理由は?

 

FSHの数値が高い理由として考えられることとしては、卵巣機能が低下しているということです。

卵巣でエストロゲンの分泌が不十分だったり、卵胞がなかなか育ってくれないと、“もっと育って”と下垂体がFSHを多く分泌するのです。

 

FSHの値が低い その理由は?

 

FSHの数値が低い理由として考えられるのは、下垂体やその下垂体に指令を送っている視床下部に問題があって分泌が上手くできていない場合です。

また、無理なダイエットで無月経になっている場合などにも分泌が低下することがあります。

分泌が低下してしまうと卵胞がなかなか育たず、エストロゲンの分泌も促進されませんので、子宮内膜も厚くなることが出来ません。

 

FSHと不妊との関係は?

 

FSHの値が高い、または低いということは卵子の質が良くない可能性があり、空胞や未熟な卵子が排卵されることもあります。

また、エストロゲンの分泌にも影響がありますので、子宮内膜が十分に厚くならず着床がうまくいかないことも考えられます。

 

FSHの値が高くなる一番の理由として考えられるのは卵巣機能の低下ですが、その原因とは何でしょう?

 

まず考えられるのは年齢による機能低下です。

卵巣は年齢とともに機能が低下していきます。これはどうしても避けられないことです。

でも機能低下の原因はこれだけではありません。

生活習慣の乱れやストレス、寝不足、冷えによる低体温なども卵巣機能を低下させ、FSHの分泌異常を招き、結果として妊娠しづらい大きな要因となります。

 

まとめ

 

FSHは高すぎても低すぎても卵胞の発育と子宮内膜の成熟に関わるというこです。

ですが、数値に一喜一憂し過ぎないことも大切です。

その時の体調によっても数値は変わります。

まずは普段の生活とご自身の体を見つめ直してみましょう。

たとえ年齢による機能低下があったとしても、日常生活を見直して体質を改善することで結果は変わっていくはずです。

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